暴走族対策:闇夜に光る白バイの目 苦情110番激減 「原則禁止」に福岡・東署挑戦 暴走族の団体数が59と全国一の福岡県。特に騒音被害が深刻な福岡市東区では、福岡・東署が今秋から暴走族対策として県内では初めて、白バイ隊の常時夜間パトロールを実施している。直後から騒音苦情の110番が激減するなど効果は上々。白バイによる夜間の交通取り締まりは昼間より事故の危険性があるため、全国でも異例という。 東区は、志賀島や海の中道など暴走族が好むコースが多く、特に年末年始の騒音被害は深刻。県内で今年1~11月に寄せられた暴走族に関する110番は約8000件。このうち東署管内は705件と全体の約1割を占め、県内34署でワースト1を記録した。 「暴走族の東」。そんな汚名を何とか返上しようと頭を悩ませてきた東署の伊豆丸勉・交通管理官が思い付いたのが、県警が危険性を考慮して原則禁止してきた白バイの夜間パトロールだった。安全性確保のため(1)パトロールには警部以上が同行(2)白バイの単独走行はしない(3)実施前には2日間以上の夜間訓練を実施--などの条件をつけることで10月8日からの実現にこぎつけた。 効果は目に見えて現れた。9月に68件(県内ワースト4位)だった暴走族被害を訴える110番が11月には16件(同12位)まで激減。パトロール中に、窃盗容疑で逮捕状が出ていた元暴走族の少年(20)を見つけて逮捕したり、無免許や整備不良などで約30件を検挙するなどの成果も上がった。検挙された少年たちは「まさか夜に白バイがいるなんて」と目を丸くしていたという。 白バイ乗車歴10年以上で今年の県警安全運転大会で2位になった東署交通1課の添田晃弘巡査部長(52)は「夜間走行は目の疲れなどが影響して肉体的な疲労も昼間の1・5倍ほど感じる」とその難しさを語る。 県警交通指導課によると、期間限定で夜間に白バイを出動させるケースは他県警でもあるが、常態化は珍しいという。県内では県警博多署が歓楽街・中洲(同市博多区)で暴力団対策として白バイによる夜間パトロールをしているが、交通取り締まりが目的で実施するのは東署が初。 同署の松島浩司・交通1課長は「住民の声である110番が減っているのが何よりもうれしい。事故は絶対に起こさないという決意を持って今後も続けていく」と話している。【近松仁太郎】 2010年12月21日≡毎日jp オッショイ!九州≡ |
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